51.貸倒引当金って何ですか?

貸倒れに備えて予想額を見積もっておきます

すだっち「貸倒れって、なんかいや~な響きですね。この不況の最中。」
えみりん「売掛金や受取手形などが回収できなくなることを貸倒れって言うんだけど、たとえ景気のいい時期でも取引先から代金が回収できなくなることは有り得る話よ。経済社会は信用取引で成り立っているけど、不測の事態にも備えておかなくちゃ。」
すだっち「貸倒れが発生するかもしれないときは、決算時に貸倒れの見積り額を費用として計上しておくんですよね。」
えみりん「そう。だけど、貸倒れの見積り額はあくまで予測だから資産から減額するわけにはいかないわ。なので相手勘定として貸倒引当金を設定するの。このことを貸倒引当金の設定と言うんだよ。」
すだっち「でも貸倒れ見積り額を計上しても、その通りになるとは限りませんよね? 実際は予測額よりも多かったり少なかったりするかもしれないですよ。」
えみりん「そのとおり。だから期末の決算整理では見積り額と残高の差額を繰り入れたり戻しいれたりするの。このことを差額補充法と呼ぶのよ。それじゃあ、まずは問題を見てみてね!」

【例題 1】
決算につき、売掛金の期末残高¥1,000,000に対して2%の貸倒れを見積もった。ただし貸倒引当金残高が¥10,000ある。

【解答】
(借) 貸倒引当金繰入 10,000         (貸) 貸倒引当金 10,000

えみりん「期末残高<見積額の場合は、見積り額に合わせるために不足額を貸倒引当金繰入(費用)として貸倒れ引当金に加算するんだよ。この問題の貸倒れ見積り額は、
¥1,000,000×0.02=¥20,000
となって、差額は
¥20,000(見積額)-¥10,000(期末残高)=¥10,000
となるんだよ。次の問題を見てね。」

【例題 2】
決算につき、売掛金の期末残高¥1,000,000に対して2%の貸倒れを見積もった。ただし貸倒引当金残高が¥40,000ある。

【解答】
(借) 貸倒引当金 20,000         (貸) 貸倒引当金戻入 20,000

えみりん「期末残高>見積額の場合は、見積り額に合わせるために超過額を貸倒引当金戻入(収益)として貸倒れ引当金から減算するんだよ。この問題の貸倒れ見積り額は、
¥1,000,000×0.02=¥20,000
差額は
¥40,000(期末残高)-¥20,000(見積額)=¥20,000
となるんだよ。」

期末残高<見積額の場合
(借)貸倒引当金繰入 ○○○   (貸)貸倒引当金 ○○○

期末残高>見積額の場合
(借)貸倒引当金 ○○○   (貸)貸倒引当金戻入 ○○○

えみりん「今度は期中に貸倒れが発生した時の問題だよ。貸倒れが実際に起こると売掛金等の売上債権が回収できなくなるから貸方に仕訳して資産を減額するの。借方は貸倒引当金の勘定残高があるかどうかで対処が変わってきます。まずは貸倒引当金勘定残高がある場合の問題を見てね。」

【例題 3】
取引先の奈良商店の倒産のため、同店に対する売掛金¥100,000が貸倒れとなった。なお、貸倒引当金残高が¥200,000ある。

【解答】
(借) 貸倒引当金 100,000         (貸) 売掛金 100,000

えみりん「勘定残高≧貸倒発生額の場合は、全額を貸倒引当金勘定で処理するんだよ。次は貸倒引当金勘定残高が足りないときの問題を見てね。」

【例題 4】
取引先の三重商店の倒産のため、同店に対する売掛金¥100,000が貸倒れとなった。なお、貸倒引当金残高が¥50,000ある。

【解答】
(借) 貸倒引当金 50,000         (貸) 売掛金 100,000
  貸倒損失 50,000            

えみりん「勘定残高<貸倒発生額の場合は、まず全額を貸倒引当金勘定を充てて、残りを貸倒損失(費用)として計上するんだよ。貸倒引当金勘定残高が¥0の場合は全額貸倒損失として処理してね。」

勘定残高≧貸倒発生額の場合
(借)貸倒引当金 ○○○   (貸)売掛金など ○○○

勘定残高<貸倒発生額の場合
(借)貸倒引当金 ○○○   (貸)売掛金など ○○○
  貸倒損失  ○○○

勘定残高が無い場合
(借)貸倒損失 ○○○   (貸)売掛金など ○○○

すだっち「ところで、以前に貸倒れとして処理したものが幸運にも回収できたときはどうするんですか?」
えみりん「その場合は償却債権取立益(収益)として処理するんだよ。」
すだっち「なるほどー。ところで請求書って、発行すると税金の対象となるじゃないですか? 請求書発行して回収できなかったら、税金は取られるわ、お金は入ってこないわでミもフタもないですねえ。」
えみりん「信用のあるところと取引したいものね。」


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